お菓子を食べていると、よくこれが袋の中に入っていますよね。
これは脱酸素剤といいます。
三菱ガス化学が作っているこちらの脱酸素剤はエージレスという名前で商標登録されています。
お菓子だけでなく、薬・医療品・化粧品や金属部品などの劣化防止、衣類・寝具などの防ダニ・防カビにも使われています。
美術館や博物館の文化財の保護にも使用されています
なんとなく品質を守るものなんだよなーと知ってはいても、どのような仕組みでおいしさを長持ちさせているのか、子どもに聞かれたときに説明できるようになりたい!と思い、調べてみました。
聞かれないかもしれないけど知りたい!
エージレス(脱酸素剤)の特長
中学生のとき、理科の実験で鉄を加熱して酸化鉄を作る実験をしました。
酸素を化学的に吸収する素材である鉄。この性質を利用してつくられたのがエージレス(脱酸素剤)です。
エージレス(脱酸素剤)は、鉄を粉状にして小さな袋にパックしたものです。
この小さな袋が、密封された製品の内部にある酸素を吸収し、品質劣化の大敵・酸化、カビの発生、変色などを防ぐ効果があります。保存期間も延長します。
お菓子袋の中の酸素を吸収して中を脱酸素状態にすることで、一緒に入っているお菓子の劣化を防ぎ、品質や日持ちをよくする効果があります。
おかげでお菓子が新鮮に食べられるんだね
大きく分けて3つのタイプ!用途に合わせて使い分け可能なエージレス
先ほど、エージレス=脱酸素剤 と書きましたが、正確にはすべて脱酸素剤ではないです。
エージレスには大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ目的によって適した用途のエージレスがあります。
- 鉄系
- 非鉄系
- 青果物用鮮度保持剤
それぞれ見ていきましょう。
鉄系
水分依存型と自力反応型の2つに大別されます。
水分依存型は、高湿度の空気に触れてはじめて酸素を吸収します。密閉された食品と一緒に入っていることが最も多い脱酸素剤です。商品と接して設置する必要があり、袋の形状や装填位置に制約があります。
自力反応型も食品と一緒に使われますが、袋の形状や装填位置の制約が水分依存型に比べて少ないです。
非鉄系
その名のとおり、主成分が非鉄でできています。金属探知機の検出感度が低くなっており、電子レンジでの使用も可能です。
青果物用鮮度保持剤
こちらは脱酸素剤ではなく、野菜や果物から出る炭酸ガスなどを吸収します。
いずれも三菱ガス化学のエージレス公式HPに説明があります。実際に使用したい方は問い合わせが可能です。
まとめ
コンサルティング会社SDKI渋谷カウントによると、2023年の脱酸素剤の世界市場シェアは、Mitsubishi Gas Chemical Company (日本)、BASF SE (ドイツ)、Ecolab Inc. (米国)、Clariant Ltd. (スイス)、Kemira OYJ (フィンランド)の順となっています。
三菱ガス化学のエージレスが脱酸素剤世界シェアNo.1であることがわかりますね。
COVID-19の世界的流行により、薬品など化学製品の製造、輸出入も大きく増加しました。の
身近な食品だけでなく、脱酸素剤は至るところで製品の品質保持に役立っています。
化学の力に感謝し、今日もおいしいお菓子を安全にいただきます。
ありがとう!脱酸素剤
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